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重門擊柝

重門擊柝。以待二虣客。蓋取諸豫。(根本通明 周易講義 繋辭下傳より)

門を重ね柝(たく)を擊ち、以て虣(ぼう)客(きゃく)を待つ。蓋(けだ)し諸(これ)を豫(よ)に取る。

   関連 雷地豫

 水陸共に往来の便が開けて来ると、また泥坊等が出て来る。盗賊というものが出て来るところの憂いがある。盗賊の出ないうちに、一つ盗賊の出るというところを考えて、これを防がなければならぬ。そこで、重門擊柝、というて見ると、震の卦が之は木である。また下に坤の卦がある。坤は閉づる。戸を閉づるというて、坤の卦が陰で閉づる方である。またこの中☳ ☷に艮の卦☶がある。これは門(もん)闕(けつ)に取るから、門の上にまた門がある。内外に門を設けるが、しかし設けたばかりで門番が無ければいけない。そこで、これは震の卦が木であって見ると、その木を以って之を鳴らす処がある。また震を善鳴と取る。善く鳴るということである。震の卦がこの木と木を以って敲(たた)いて聲(おと)を出す。それを撃つには艮の手が撃つから、この中に艮の卦がある。木を以って之を鳴らして、それで用心をして外から来る所の暴客(虣(ぼう)客(きゃく)の虣(ぼう)は、いにしえの「暴」の字)、亂暴、人並みに盗賊を防ぐ。之は豫に取る。こんな事は最早、盗賊が来た上ではいけない。未だ盗賊の来ない内に、これだけの備えを豫(あらかじ)め附けて置かなければいけない。これを豫に取る。豫は豫(あらかじ)めという字で、物の出ない内に其物の手当てをすぐ附ける。総ての事は豫めそれだけの手当を附けて置けば、何事も事が成って、後に至って悦び樂むところがある。この豫の字が豫(あらかじ)めとも訓み、悦(よろこ)ぶとも訓み、樂(たの)しむとも訓む。

擊柝の「柝」は原文では以下の字である。

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